※本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としています。実践前には必ず医師や栄養士にご相談ください。
1. はじめに
ダイエットで注目される「ローカーボダイエット」と「ケトジェニックダイエット」。
どちらも糖質制限を使った方法ですが、制限の強さや得られる効果、続けやすさが大きく違います。
ここでは、ダイエット初心者でも分かりやすいように、スマホで読みやすい短い段落と表・箇条書きで解説します。
結論
継続派はローカーボダイエット、短期集中派はケトジェニック!あなたに合う選び方ガイド
2. ロカボ vs ケトジェニック:主な特徴比較
特徴 | ローカーボ | ケトジェニック |
糖質制限の強さ | 1日50~130g(ほどほど) | 1日20~50g以下(しっかり) |
エネルギーの使い方 | 糖質+脂質をバランスよく利用 | 脂質から作る「ケトン体」を主に利用 |
効果の出やすさ | ゆるやかに体重減少 | 短期で体脂肪が落ちやすい |
続けやすさ | ◎ 続けやすい | △ 制限がきびしい |
注意点 | 空腹感や甘い物欲求が出ることがある | 初期に「ケトフルー」(頭痛・だるさ)が起こる場合あり |
3. ローカーボダイエット:定義と摂取目安
3.1 ロカボとは?
- 糖質を「ほどほど」に減らし、血糖値の急上昇を防ぐ方法。
- インスリンの急増を抑えて、脂肪を燃やしやすい状態にする。
3.2 1日の目安量
栄養素 | 量 | カロリー割合 |
糖質 | 50~130g | 10~26% |
脂質 | 残りの30~40% | ― |
たんぱく質 | 残りの20~30% | ― |
- 計算例(1日2,000 kcalの場合)
- 糖質50g=200 kcal(2,000 kcalの10%)
- 残り1,800 kcalを脂質・たんぱく質で配分
4. ケトジェニックダイエット:定義と摂取目安
4.1 ケトジェニックとは?
- 糖質を厳しく制限し、体を「ケトーシス」状態にする方法。
- ケトーシス:血中ケトン体(脂肪由来エネルギー)が増え、脳や筋肉で使われる状態。
4.2 1日の目安量
栄養素 | 量 | カロリー割合 |
糖質 | 20~50g以下 | 5~10% |
脂質 | 残りの70~75% | ― |
たんぱく質 | 残りの20~25% | ― |
- 計算例(1日2,000 kcalの場合)
- 糖質50g=200 kcal(10%)
- 残り1,800 kcalを脂質・たんぱく質で配分
5. 体内で起きること:糖質制限のメカニズム
- 糖質を減らす
- 血糖値の上昇がゆるやかに → インスリン分泌が減少
- 脂肪が燃えやすくなる
- 分岐:
- ロカボ → 糖新生(肝臓で糖を作る)+脂肪酸β酸化
- ケト → ケトーシス → ケトン体がエネルギー源に
用語解説
- 糖新生:体が足りない糖を肝臓で作る反応
- 脂肪酸β酸化:脂肪をエネルギーに変える反応
- ケトン体:脂肪を分解して作られるエネルギー物質
6. 具体的な計算ステップ
- 目標カロリーを決める(例:2,000 kcal)
- 糖質量を計算
- ロカボ20% → 2,000×0.20÷4=100g
- ケト10% → 2,000×0.10÷4=50g
- たんぱく質量を設定(体重×1.2~2.0g)
- 残りを脂質で補う(脂質 g=残り kcal÷9)
7. メリット・デメリット
- ロカボ
- ◎ 続けやすい
- △ 効果はゆっくり(3ヶ月で約−5kg)
- ⚠ 空腹感・甘い物欲求の増加
- ケトジェニック
- ◎ 短期で体脂肪が落ちやすい(3ヶ月で約−7kg)
- △ 制限が厳しく慣れるまで大変
- ⚠ ケトフルー(頭痛・倦怠感)、便秘
8. 食事メニュー例
- ロカボメニュー
- 朝:全粒粉トースト+ゆで卵
- 昼:玄米100g+サラダチキン+蒸し野菜
- 夜:魚のグリル+ブロッコリー+味噌汁
- ケトメニュー
- 朝:ベーコン&アボカドのスクランブルエッグ
- 昼:チーズとナッツ入りグリーンサラダ
- 夜:ステーキ+バターソテーきのこ
9. 注意が必要な方
- 1型糖尿病の方:ケトアシドーシスのリスク
- 2型糖尿病(SGLT2阻害薬使用中)の方:無症候性ケトアシドーシス
- 肝疾患・腎疾患・膵炎・胆石症の方:事前に検査を
- 妊娠・授乳中、小児・高齢者:原則避ける
- 摂食障害の経験がある方:専門家のサポートを
10. 継続のコツとモニタリング
- 体重・サイズ測定:週1回
- 血糖・ケトン体チェック:週1~2回(自宅測定キット利用可)
- 脂質の選び方:オリーブオイル・青魚のオメガ-3中心
- 不調時の対処:めまい・だるさが強いときは中断・相談
11. まとめ:こんな人におすすめ
- ゆるく長く続けたい → ロカボ
- 短期集中でしっかり落としたい → ケトジェニック
- 実践前に医師や栄養士に必ず相談を
12. 引用文献
- Paoli A. et al. Nutrition, 2013.
- Bueno NB et al. Obesity Reviews, 2013.
- Yancy WS Jr. et al. Ann Intern Med, 2004.
- Meng Y. et al. Nutrition & Diabetes, 2017.
- Tendler D. et al. Metabolism, 2007.
- Santos FL. et al. Br J Nutr, 2012.
- Hallberg SJ. et al. Diabetes Therapy, 2018.
13. 執筆者プロフィール
- 職業:理学療法士(国家資格)
- 臨床経験:10年以上(病院・クリニック・デイサービスで多くのダイエット・リハビリ患者を担当)
- 専門分野:運動器リハビリテーション、Pain Neuroscience Education(PNE)、栄養サポート
- 発信実績:自身のダイエット・実践経験をもとに、専門誌やブログで栄養と運動の情報を提供中
以上の経験をもとに、実践しやすいダイエット情報をお届けします!
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