卒検不合格後初めての補習
卒業試験から2週間。
毎日クランクで倒れたことを思い出し、後悔する毎日だった。
気を紛らわすために、家族や会社の同僚に面白話のように話すが、立ちゴケした時の記憶が頭から離れない。
自身の中では、緊張やGB350との違いのせいと考えており、次乗れば問題なく通過できるだろうと思っていた。
そして今日、補習の日がやってきた。
試験日ではないはずなのに、なぜか緊張する。クランクができなければどうしようという不安の声が大きくなる。
教官からクランクのアドバイスを頂き、バイクに乗車。
やはり乗りづらい。GB350よりも前傾姿勢になる車体に不満を感じながら教習スタート。
坂道発進や波状路を問題なくクリアし、いよいよ憎きクランク。
リアブレーキを使い、安定した速度で左折ポイントをクリア。
前回失敗した右折を無事通過したと思ったその時、出口付近でパイロンに接触し、またもや立ちゴケしてしまった。
まただ。なぜここまでできないんだ。
完全に自信を無くしてしまった私は、大型バイクに乗りたいという夢を諦めかけていた。
この先ずっと中型バイクでいいじゃないか。わざわざ乗る必要はない。
私はバイクを楽しめなくなっていた。
そんな中、ある言葉が頭をよぎった。
顔を上げて、遠くを見たほうがバイクは安定する。
私はハッとした。中型バイクの時、同じようにクランクで苦しんでいた私にかけられた言葉だ。
その言葉を思い出した時、私はずっとメーターを見ていた。
速度ばかり気にしていること。そして、バイクを楽しんでいないことに。
目線を変えて、再度クランクに挑戦。全く問題なく通過することができた。
全ては自分の責任だった。
緊張していたとはいえ、目線を下げていたことが原因だった。
バイクのせいにしていた自分が恥ずかしい。失敗の原因は他でもなく自分自身だった。
補修が終わり、来週2回目の卒業試験が始まる。
目線に注意し、大型バイクに乗ろうと思う。
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